2/1 少林窟道場の方丈の間の建設を前に旅の出発を計画中だったのですが、人手不足を懸念しながらの出発を止め荷物の移動等をお手伝いさせて頂いてからと言うことに決めました。薫も勿論賛成です。
2/2 薫の小さな友人の誕生日なので夜に訪ねて行きました。「冷えてるね」と言いながら出かけましたが帰るときには雪でした。路面に落ちると消えてしまいますが視界が悪くなるくらいの降りでした。明日は雪景色かな?
2/3 冬支度をしていなかったレオーネ(車です)のタイヤをスタットレスに履き替えました。晴れていたのに降り始めると間無しに芝生の上は真っ白になり、斜めに降る雪の向こうに見える島は雪山のようです。水道管凍結破損防止対策として水抜きを行おうと外へ出てみると気温は既に−4度、バケツも水道も凍り始めていました。蛇口にお湯をかけたり等々の努力は虚しくバケツの氷は厚くなっていきます、諦めて残りの管の水を抜き去りました。
2/4 澄んだ日差しに美しい雪景色です。と言っても白い氷が張り付いていて雪の感触は残っていません。昨夜の水道管凍結破損防止対策は成功したようです、気温が上がるのを待って通水。午後から少林窟道場へ参上、水道に被害が出て方丈も修理作業中でした。
2/5 気温も上がり雪は跡形も在りません。雪にはしゃぐ薫を見て「真冬の北海道だけは外せない」と思い、方丈の間建設工事の日程をみながら最北の地・稚内の泉氏を訪ねる事にする。計画は20日の深夜舞鶴を出て翌々日の早朝小樽港に入るフェリーにtheレオーネを乗せて渡る。21日はちょうど薫の誕生日「何時か文明開花時代のハイカラサンのような格好をして船旅がしたい」とずっと前に慧照禅尼に語り掛けていたので、古い車で行くのが良かろう。泉さんからの忠告は「吹雪いて欠航することも良くあります、計画は余裕を持って下さい」、薫には「寒いので沢山着て来て下さいよ」だったそうです。27日朝の小樽発の便を取りました。22日には日本のウスワイヤにたどり着く予定です。
2/6 「何の内職か」と覗き込むと「写真を皆さんに送るのに封筒を作っているのだ」と答えが返ってきた。「封筒は買うものだ」と思っていたのだがどうやらそうとは限らないようだ。そのことを伝えると「ではリサイクル表示のスタンプを作って欲しい」と言い出した。彼女の場合地球だの環境だのと言った大義は要らないようで実のところは「ちょうど良い大きさの封筒が手元になかったから」だそうだ。しかし何処からこれだけ古紙が出てくるのか?「コレクションならまだあるよ」とのことだ・・・・・資源節約には努めていると言うべきなのだろうか。
2/7 「老尼がね、草は夜も休まず努力するって言ってたの」と話した後、庭で草取りをしていた薫がスタスタと目の前を横切って行った先は車?後ろを開け頭を突っ込み探し物をしている。目的のアルミリベット、金槌それに壊れたままに成っていた塵取りを持って庭を横断して行った。金属音の後 足音「出来た!」と嬉しげに帰って来ると思っていたのだが「間違えた」としょげている。壊れて内外が入れ替わっていた部分をそのまま打付けてしまったのだ。「使うのには問題なかろう」と笑ったのが気に入らなかったのか又、くるりと向きをかえて出て行った。一度打ち付けたリベットを外そうと奮闘しているのかと覗くと何事も無かったように草取りをしていた。愉快、実に愉快。
2/8 8日は海蔵寺の一大行事 月に一度の薬師講だ。以前は数人だったように思うが本日は10名、ローカルニュースを持ち寄ってのコタツ端会議である。亀の甲より年の功、若輩者が口をはさむ余地は無い。
2/9 方丈の母君 薫の祖母の満88歳の誕生日である。4人で昼食会となった、お元気で何よりであるが、何度となく日付を聞き 何度となく「今日は私の誕生日じゃ。なんとこんな風に祝うてもらうとは思わなんだ、ええ誕生日さしてもろうた。」と喜んでおられる。年をとるとはこういう事らしい。人生無常である。
2/10 方丈の間建設工事の準備として印刷室内の物を移動させる、印刷機等があるので助っ人の男手が集う。工事の準備も着々と進行中です。
エコロジー商品のカタログを手に薫はご機嫌が悪い。「お金が無いとエコロジーは出来ないのか?」と言うのである。確かにリサイクルもエコロジーもコストがかかるという理由で製品はかなり割高である。余程経済的に余裕があってしかもエコロジーにかなりの関心が無ければ、このような製品ばかりを使いながら生活していくことは無いだろう。不満なのは良く分るが・・・一体何が出来るだろうか?重ねて「トレンドのエコロジー・・・」と書かれた記事をカタログ中に見付けた為 薫は腹を立てていたのであった。「何かが間違ってる!」と。
2/11 朝から雨である デスクワークで終わる。写真の発送準備をかなり進めることが出来た。現在、部屋一面に宛先別に分けられた写真と封筒が並べられている。
ディズニーの「ポカホンタス」を見た。薫のメキシカンの友人たちが「薫はポカホンタスだ」と言っていたらしい。それがどういう人物なのか知らなかったが、何やら「ムーラン」の登場人物と聞いていた。しかし、この「ポカホンタス」の主人公は確かに薫そっくりだった (但し、今は髪を切ってしまったので、ちょっと印象が違うが・・・)。ポカホンタスは大地に根ざした野生の娘。風の声を聞き、風の色を見て、心の声に従って行く人だ。
2/12 道育さん来訪、久しぶりに暫し歓談。薫に頼まれたフランス語のスタンプを製作途中だったので、続けて道育さんの住所印を製作。薫の煮豆と一緒に差し上げる。
2/13 方丈は総持寺参禅会のため上京される。
少林窟道場に在る印刷機を移動。
薫が義理チョコの包装にリサイクル可能な環境保護製品を使用するので、その旨を印字したカードを作ってくれと手伝わされた。包装の才能は在るらしい。排水口用・水切りゴミ袋が見事にラッピングバッグに変身した。どれだけリサイクルされるだろうか?
2/14 泉さんから北海道の資料がドーンと届いた。広い! 今回はほんの僅かしか回れそうに無い。薫は憧れの「天女が原」とわめいている、こんな道も無いところへどうやって行く気だ?彼の地は世界でも有数の美しい雪の結晶が舞い降りてくる所なのだそうだ。しかし、道路は徒歩一時間も前に終わっている。この徒歩も多分夏の話だろう。どうなることやら・・・。
数ヵ月振りだと言いながら薫がオーブンに火を入れた。固めのチョコレートケーキと注文通りのハンバーグが夕食に並んだ。ウマイよ!
2/15 写真(1/3)の発送の追い込みである。
横田さんよりの写真を方丈がお持ち下さる。腕を振るってくださった十楽先生の撮影シーンをとらえた一枚があった!有り難く先生宛の封筒に入れる。
以前薫が旅の途中で出会ったという北海道在住の中村さんより連絡が入った。道内の交通手段が車であると聞いて忠告のお電話を下さったのである。「旭川で−10℃、富良野で−25℃には成るからとても危険だ!今年は雪が多くて除雪の予算も使い果たしているし、雪の壁が出来ている。札幌で4m数十cm、旭川は6m70cmの積雪で地元の僕でも今日だけで3回滑った。25、26はもっと冷えるから車は止めなさい。命在っての・・・でしょ」とおしゃって下さったとのこと。
2/16 春霞 少林窟道場の畑の梅も満開である。やはり温暖化なのか?早い気がする。
本日はかなり発送することが出来た。
仲人をしてくださった浄居寺の奥様と郵便局で一緒に成った。「なかなか旅に出られないみたいね」と声を掛けてくださり、薫にサランラップを進呈してくださる。慧照禅尼の功徳であろうか。
2/17 少林窟道場まで久しぶりに歩いた、汗ばむほどの陽気である。
残りの発送も済ませ、町内の方々にも写真を配って回り 一段落。
薫は微熱があるようで元気がない。頂いていた「無農薬ほったらかしみかん」が干からびかけていたのもあり、みかんジュースを作ってみる。水分が減り、かなり濃厚になっているので1杯で満足する味だと思うが、薫は「美味しい!」と喜んで3杯飲んだ。
2/18 春雨が降ったり止んだりしている。少林窟道場の畑の梅を見に行ってみた、正に満開である。
北海道行きの必要品の買出に行く。長靴と薫の注文のプラスチック製のほうきである。まるで分らないので何を準備したら良いのか見当がつかない。北海道でほうきを持って何をしようと言うのだ?
薫はお土産にするのだとリンゴジャムを作っていた。赤ワイン仕立てなのだそうだ。試食分は無かった。
2/19 出発の準備に追われる。気候など分らないことばかりである。上着は薫のを一着借りる事にして、肌着だの帽子だのをかき集めた。薫は発泡スチロール製のりんごの空き箱を取り出して何かしている。何が起こるのだろうか?
2/20 少林窟道場に二人で出向いた。留守中の25日が老尼のご命日である。いよいよ旅の始まりだ。