5月1日 雨のち曇り。
幽雪が購入した本を観音が昼寝している間に薫が見る。唐突にその一冊を音読し始めた。音読したのは、幽雪が購入しまだ目も通してない事に対する遠慮からか。観音が目を覚まし、夕食が終わると 薫は又音読を続ける。結局、入浴までに読み切ってしまった。そして、「この本から言うと、私は随分哲学的な生き物って事ね。」と一言。別に返事を必要とはしていない様子の薫。

5月8日 雨
今日は、お薬師講の筈なのだが、おばあちゃん達はどなたもお姿が無い。今月はもう来られないのかな?それとも、今日が都合が悪くて明日なのかしら?と少々不安げな薫。それもその筈、年々お年を召され(当たり前なのだが)次第に人数も減って来ているのだ。長年のお付き合いだけに、薫は寂しげである。
ニーッと笑顔をする観音しかめ面の観音雨ではあるし、おばあちゃん達は来ないしで、『詰まらない!』と言う顔をする観音。カメラを向けて、「そんな顔じゃなくて、良い顔をしたらどうだ」と言うと ニーッとカメラに笑って見せる。

5月11日 曇り時々晴れ。
薫の所にウイルスが送られてきた。今回は不送信状態メールアドレスの通知メールを装った形で添付ファイルをつけて来ている。次第に巧妙化されるウイルスに、薫は「どうして、人が迷惑する事をしたがる人がいるのかねぇ〜」と呆れ果てている。

5月12日 晴れ。
今日も薫に同じW32Klez.H@mmウイルスが届いた。今度のは Subject: United States of America, local law may applyである。送り主も info と成っている。送り主や使われたアドレス、返信先なども 昨日と同じく、判定できない。
これには、薫も 「誰かに意図的に送り付けられてるって事? それも 私の事を知ってて送ってる事なのかしら?」と 眉間に皺を寄せている。

5月13日 晴れ。
午後にはグッと気温が上がり、観音は夏の装いとなる。
ここのところ観音は、洗い物の後、流しでそのまま水遊びに成ってしまう。
「HPにのせたからか、今日はウイルスが届かなかった!」と薫が喜ぶ。
実は、廣州師より「少林窟道場へも昨日、一昨日と届いており、今日はなんと2通も届いたのだ」と うかがい 「覚悟していたから結果が余計にありがたい」と 薫。

ジンベ姿で水撒きをする観音5月14日 晴れ。
気温が高い。薫は午前中に止めるつもりで始めた洗濯だが、観音が「未だ!未だ!」と止めないので、とうとう未だ洗って無かった冬の大物を、風呂場に持ち込んでタライで洗う。結局、1時過ぎまで続け、やっと観音を説得した薫。観音も薫も 気持ち良くびしょ濡れ!
今まで電話で語りかけられると、兎に角神妙に聞き入って返答をしなかった観音だが、今日は電話口で代わると、初めて何となく返答をしている。言われている事は、今までも理解をしていた。返事も的外れではないようだ。会話とは言い難いが、観音の返事の様子を聞きながら「バイバイ」を合図に再び代わる。

雨支度で玄関に立つ観音5月15日 雨。
コンスタントに量のある雨の日と成る。時折、風も付けている。
観音は庭の水溜りを楽しみに長靴、レインコート、傘と準備万端!雨は、彼女に見飽きた庭を一変させて、探検の場をプレゼントしてくれる。
収穫物入りのバケツを持つ観音もっと、遊ぶかと思っていたら お昼には上がると言い出した観音。どうやら、水溜りに勢い良くバチャバチャ入ったので、水が撥ねて膝上まで濡れたのが気持ち悪くなったもよう。もう一つは、長靴が濡れると雨の屋外が阻まれる事になるのを懸念したらしい。上がる時に、長靴の中をしきり気にかけている。濡れていないと聞き、安心して上がる。
夢中庵の田崎さんより、個展の案内状が届く。ご無沙汰して長いが、変わらずご案内を下さる。何時も必ず手書きのメッセージが入っている事に、薫は感激している。

照れながら立つ観音5月20日 晴れ。
萩原さんより観音宛の小包が届く。成田に到着して直ぐに空港からお送り下さったようだ。カナダからの帽子、服、髪飾りetc. etc. の花尽くしである。観音は大変な喜びよう。
写真を写そうかとカメラを向けると、少し恥ずかしそうに登場。
夜になって薫に例のウイルスが届く。今度こそ、恐れ入るとしか言いようが無い。Subject が W32.Klez.E removal tools で、添付されているのは、なんと Set up. exe. と題された W32.Klez.H@mmウイルスだったのだ。
しかも、その本文には ご丁寧に For more information,please visit http://○○○○とweb site まで 書いて来ている。薫も「ここまで来ると、アクセスするとどうなるのか知りたい気持ちにも成るわよ。でも、明らかに危険が大きすぎるので忘れる事にするわ。」と言っている。読者に迷惑を掛けない為に、アドレス自体の公開も止めます。

5月23日 うす曇のち晴れ。気温も上がる。
方丈と別件で電話にて話した折、「観音にハサミの使い方の手本を見せてるか?」と尋ねられた。「見守るだけでなく、手本を示してやりなさいよ。」と教えてくださった。早速、観音に見せようと切り始める。が、本人は幽雪のやる事など見ていない。幽雪の細切りにした紙を、せっせと刻んでいる。その様子を、薫はニコニコと眺めていた。
「いいかい、右手で切るだけじゃなくてね。こうして左手も使って、回しながらするんだ。」と円弧に切る手本を見せていると、薫が「そうじゃない、そうじゃない」と笑い出す。?笑うとは、失敬な!
ドクダミを抱える観音顔を上げて見ると、なんと観音はハサミを閉じて両手でそれをクルリン、クルリンと回しているではないか。確かに、話はちゃんと聞いて、実行中なのである。でも、ちょっと違うんだなぁ、切りながら紙を回して欲しかったんだが、「ん〜、回すって言ってもそうじゃないんだ。ほら、こんな風にするんだよ。」あれ?もう見てないのか!こっちのやる事は、既に彼女の眼中には無い。終に薫は 腹を抱えて、転がっている。
午後には、気温が上がり真夏ようだ。ドクダミの花が咲き、収穫時期を知らせている。観音と一抱えだけ収穫。

5月24日 晴れ。
薫が夜も明けぬ内から活動開始、畑の雑草を刈りたかったらしい。野菜と草が容易に見分けられないので、薫にしか向かない仕事なのだ。
「草に覆われて、豆がヒヨンヒヨンに成っている」と 気にしていたので、今日は意を決したようだ。草を刈られた畑は、ひまわりがとても大きく見える。
午前中には境内のドクダミを収穫。

5月26日 晴れ。
夜、薫がホタルを発見!
たった一匹、だが、光っている。点滅も上手に出来ない様子で正に虫の息と言った状況。飛ばない。それを観音に見せた後、薫は蓮の種のように上を向いて伸びているパセリの蕾の上にそっとおろしてお別れを言う。何となく、強弱をつけて光っている。

5月27日。 うす曇。
昨年頂いた下駄で 観音が容易に歩くようになったので、澤田さんに ご報告の写真でもお送りしようかと言っていた。だが どうせならと、お別れのバイバイをしてくださる澤田さん澤田さんご夫妻と夕方に澤田さんをお訪ねする。とても喜んで下さった。
そして、台の形状を前のより少し変え、焼きにしてみたのだと言う新作の子供下駄を 又してもプレゼントして頂いてしまった。深謝、合掌。
奥様がお花も分けて下さる。勿体無い、恐縮しながら頂いて帰る。観音は頂いた下駄の入った袋をしっかりと持って帰った。
外へ見送って下さった澤田さんご夫妻と記念撮影。車が見えなく成るまで、手を振って下さった。

5月29日 晴れ。
ひまわりの第1輪目が咲いた。未だ、5月だと言うのに、今年は季節のめぐりが早い。「咲いた!」と喜んでばかりもいられなさそうだ。
薫はこうした状況に 「単なる温暖化じゃなくて、天変地異の前触れかもしれないわよ。関東大震災の年もお盆を過ぎても異常に暑かったって言うし。」 と 益々、嬉しからぬ表情をしている。

5月30日 曇り。
教区の護寺会があり、幽雪は 勝運寺さまへ 檀家の方と参じる。
午前中、郵便物を受け取った後 観音が戸外へ1人で出ようと下駄を履きかけると 体長15cm程のムカデが下駄の下から這い出した。見ていた、薫が 「観音!出た!」と 声を掛け 観音はその声に 薫の方を向いて固まる。薫が 急ぎ観音を抱えて 難を逃れたのだそうだ。日ごろから、ムカデの事は観音に教えてはいるものの、これからの時期、不意な遭遇を考えると 気が気では無い。
ミニ乳母車と観音午後、幽雪が帰山すると 観音がぬいぐるみを乗せた小さな乳母車を押して出迎える。どうやら、薫が観音と作ったようだ。洗剤の箱にストローの押し手、菓子箱の間仕切りのホイルが光って、セロハンテープの芯のタイヤはチャンと回っている。なるほど 車軸は竹串ですか、これは リサイクルカーってところだね。
夕方、裏で大きな物音。幽雪と観音が覗きに行くと、薫が 結構な大きさの木っ端を 物干し場の向かいの屋根から投げ落としている。危ないので退散。暫くして、物干し場の方へ見に行くと、梅雨を前に 雨どいの修理をしていたとの事。最終点検のつもりか バケツで屋根に水を撒いていた。薫の大工仕事は 根本的に交換すると言う考え方は無いようで、何処までも大掛かりな工作。