竹紙・竹筆作家

田崎 博和 氏


田崎博和氏・竹紙と花絵展より兵庫県神埼郡神河町にある竹紙工房「夢中庵」主。夢前竹紙と竹筆の製作をはじめとし多くの芸術作品を生み出している手仕事の達人。
自然の持つ魅力を何時も大切に作品に生かしておられる。おおらかで、はにかみやだが何事にも妥協せず、飾らない真の努力家だ。

田崎氏の作られる竹筆・竹紙は高い評価を受け、個展も開催されている。研究熱心で、高い技術力をお持ちなので、竹紙製作を始め 柿渋染め等の指導者としても活躍中。若州一滴文庫(福井県大飯町)において竹紙製作の指導、香寺民俗資料館において柿渋染めの講習会をなさったり、講演活動もしておられるようだ。
又、水上勉先生の竹紙を使った書画作品の製作を長年にわたりバックアップし続けておられた。豊かな感性を先生も認めておられ、作品の最終段階での加工等もお手伝いしておられた。先生の著書にも たびたび 播州の友人として登場してきた。
近年は、特別な木で作った筆や、思いもよらない植物で漉いた紙などを、依頼に応じて作成されたりもする。


以前活動の拠点と為さっていた、夢前を離れ、現在は百千家満(おちやま)の山間で古い民家に移り住まれた。水上勉氏が命名されたこの「夢中庵」にて、芸術文化の発信基地と成る事を目指して折られる。

田崎博和の竹紙工房 夢中庵
〒671-4106 兵庫県神崎郡神河町大河716
播但連絡道路神崎南ランプより、県道8号線一宮方面へ、神河町役場手前で県道404号右折。

最寄り駅: JR播但線寺前駅
作品の数々を展示しながら、竹紙・竹筆作成と販売も行っておられる。

京都・寺町の ギャラリーTerra でも田崎氏の竹筆・竹紙が常に手に入るようになっている。

展覧会のご案内


H10年の個展の資料より

竹紙と竹筆 

― 田崎博和の手仕事 ―

  楓ギャラリー企画
個展の案内状・竹紙、竹筆、衝立
― 田崎博和さんの仕事 ―
田崎さんは長野県下の山奥に住む私のアトリエを見にきて50分ほど見ていてから帰って、すぐ竹の筆を百本ほど送ってきてくれた。何をしている人かしらない。未だにしらない。藪がないので、軽トラを運転して近くの藪へ入って竹をとらせてもらって、それを家にもち帰ってから竹紙に漉くらしい。竹の皮ももちろん煮て槌でたたいて餅にしているようだ。竹紙をこよりにして紙布を編んだりして送ってくる。又草木染めもして紙を染めてくれる。田崎さんの経師はプロに達する技だと思う。私は個展のたびに田崎さんを仲間に入れてあそんでいる。しかし、彼の職業をまだ知らない。世の中におかしなつきあいがあってもいい。わけのわからぬままに、結婚する人もいる世の中だから。
水上 勉  


田崎氏とのご縁